事例紹介

クマ遭遇AI予測マップの開発

利活用の概要

上智大学深澤研究室では、過去のクマ遭遇記録や人口分布、土地被覆、標高、道路情報などの多様なデータを用いて、機械学習により将来のクマ遭遇リスクを予測するモデルを構築しました。さらに、このモデルを基に、さまざまな自治体におけるクマとの遭遇確率を予測・可視化する「クマ遭遇AI予測マップ」を作成・公開しました。

利活用の効果

クマ遭遇AI予測マップは、自治体による警戒情報の効率的な発信や巡回計画の策定、AIカメラやドローンの設置場所の検討、ワナ設置の優先度付けなどの対策に活用できるほか、住民や旅行者の方には遭遇の可能性が高いエリアを事前に把握し、安全対策に役立てていただけます。

利活用したデータの詳細

  • 人工衛星データ
  • 公的統計
  • 本取り組みではおもに以下の5つのデータを用いています。

    1)各自治体様が公開されているクマ遭遇データ
    • 予測モデルにおける目的変数および説明変数として利用
    2)ALOS 地表面被覆分類データ(ALOS土地被覆図 v25.04、JAXA)
    • 予測モデルにおける森林・湿地帯・竹林などの特徴として利用
    3)道路中心線データ(KSJ-N04、国土交通省)
    • 予測モデルにおける道路での遭遇の推定に利用
    4)国勢調査 人口・世帯データ(総務省統計局)
    • 予測モデルにおける人口の特徴として利用
    5)標高データ(KSJ-G04、国土交通省)
    • 予測モデルにおける標高の特徴として利用

利活用の詳細

上智大学深澤研究室では、クマ遭遇記録や人口分布、土地被覆、標高、道路情報などの多様なデータを用い、機械学習により場所ごとのクマ遭遇を予測するモデルを構築しました。その成果として各自治体におけるクマ遭遇確率を予測・可視化した「クマ遭遇AI予測マップ」を公開しました。

まず、秋田県のクマ遭遇の予測モデルの開発です。秋田県では2023年にクマの遭遇が相次ぎました。秋田県にご提供いただいたクマ遭遇データを確認するとこれまでに遭遇がなかった場所でも遭遇が相次いでいることがわかりました。そこで、場所単位でのクマ遭遇の予測が重要な課題と考え、予測モデルを構築することにしました。具体的には、クマの遭遇があった場所を目的変数として設定し、人口統計情報、土地被覆情報、道路情報や標高データを説明変数として用い、クマが人と遭遇する可能性を1kmメッシュごとに予測するモデルを構築しました。その成果は2025年7月に海外論文誌に公開されています[1]。

さらに、2025年には東北を中心にクマの遭遇が相次ぎ人身被害も増加しました。そこで、秋田県で作ったモデルを安全対策に役立てられないかと考えマップとして公開しました。さらに秋田県以外でもクマの遭遇が相次いでいることから他の自治体にも展開しました。しかし、クマ遭遇データの収集方法は自治体ごとに異なります。また、遭遇が発生しやすい環境条件や地域特性も自治体ごとに違いがあります。そこで、各自治体で公開されているクマ遭遇記録を用い、自治体ごとに予測マップを作成しました。本マップは、1kmメッシュ単位で遭遇リスクを黄色から赤へのグラデーションで描画しておりリスクを直感的に把握できます。さらに、自治体ごとの精度検証も行っており、地域特性を反映した遭遇リスクの予測が可能となりました。

本研究で活用させていただいた各種データについて、自治体様、新聞社様、JAXA様、国土交通省様、総務省様に感謝申し上げます。

[1] Nakamoto, S., Fukazawa, Y.: Bear warning: predicting encounters using temporal, environmental, and demographic features, Int. J. Data Sci. Anal., 20(8), 7107–7125, 2025.

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