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日英統計用語集(2008年2月 (追加作成))   >  金融統計   >  需要の価格弾力性 : ELASTICITY OF DEMAND, PRICE
NO 3060
統計用語 需要の価格弾力性 : ELASTICITY OF DEMAND, PRICE
統計用語(英) ELASTICITY OF DEMAND, PRICE
統計学上のテーマ 金融統計
定義 需要における価格弾力性とは、需要量の変化率を価格の変化率で割ったものと定義される。需要曲線は通常下向きに傾斜するので、需要の価格弾力性は通常負の数字になる。しかし負号はしばしば省かれる。
補足説明 原則として価格弾力性は無限大(負)からゼロに変動する。無限大に近づくほど需要はより弾力的になる;そしてゼロに近づくほど需要はより非弾力的になる。実際面では弾力性はマイナス10からゼロの範囲に集中する。マイナス1は通常より低い数値(1以下)は非弾力的になり、より高い数値(1以上)は弾力的になるという決定的な切断点とみなされる。需要が非弾力的であれば価格上昇は総収入を増加させる一方、需要が弾力的であれば価格上昇は収入を減少させる。

需要曲線は産業および企業の両段階で定義される。産業レベルでは需要曲線はほとんどいつも下方に傾斜する。しかし企業レベルでは需要曲線は下向きに傾斜するかあるいは水平になる。後者は需要が無限大に弾力的である完全な競争力をもつ産業における企業の場合である。その企業の需要曲線が下方傾斜の時はその企業は価格になんらかの統制を行っている。

需要の価格弾力性は多数の要素によって決定され、その中には代替製品の存在がある(需要の交差価格弾力性を参照)。代替品が少ない時、需要は非弾力的になる傾向がある。したがって企業は価格にたいしてある種の力を発揮する。代替品が多い時、需要は弾力的になる傾向があり、企業の価格統制は限定される。
典拠 産業組織経済学および競争法の用語辞典、R.S.KhemaniおよびD.M.Shapiro編纂、OECD金融・財政・企業理事会より委任、1993年
相互参照 金融統計