詳細情報
NO | 3403 |
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統計用語 | (供給)寡占 : OLIGOPOLY |
統計用語(英) | OLIGOPOLY |
統計学上のテーマ |
金融統計 |
定義 |
(供給)寡占とは、少数の企業が、自らで独自に価格決定や生産方針を決定できると考えている市場の状態を言う。この場合の企業数は、各企業が一定の市場支配力を持ち得る程度の少数である。 |
補足説明 |
寡占は、寡占状態にある各企業が自らの相互依存性を考慮しなければならない点で完全競争とは区別され、各企業がある程度の価格決定力を持つ点で独占的競争とは区別され、独占者には競争者がいないという点で独占状態と区別される。一般的に、寡占状態の分析においては、価格、および生産方針の決定における企業間の相互依存関係の影響が検討の対象とされる。 寡占にはいくつかの種類がある。すべての企業が(ほぼ)同規模である場合を、寡占状態が「対称的」であるという。そうではない場合を、寡占状態が「非対称的」であるという。典型的な非対称寡占状態は、最有力企業が存在する場合である。寡占状態の産業は同種の/区別できない商品を生産する場合もあり、また、異種の/区別し得る商品を生産する場合もある。寡占的な行動様式の分析では、通常は、対称的な寡占状態、あるいは、しばしば復占状態(2社による寡占)を想定する。寡占状態では、区別できない商品生産であるか区別し得る商品生産であるかにかかわりなく、決定的な問題点は、企業群の行動様式が自らで認識している相互依存関係を考えた上でのものかどうかに対する判断である。 この問題についてのアプローチには、大きく分けて二つの方法がある。第一は、対象とする企業群が協力的な行動をとると想定することである。すなわち、彼らが共同の独占的利益を最大化するために結託すると見る。第二は、その企業群は独立した行動様式をとり、相互に非協力的であると見る。非協力的な行動を想定した寡占的行動様式の分析が、寡占理論の基礎をなすものである。 非協力的寡占理論では、企業群が量を選択するモデルと、価格を選択するモデルとの二つに分けて検討する。取引量設定のモデルはクールノー・モデル、価格設定のモデルはベルトラン・モデルと呼ばれている。 |
典拠 |
産業組織経済学および競争法の用語辞典、R.S.KhemaniおよびD.M.Shapiro編纂、OECD金融・財政・企業理事会より委任、1993年 |
相互参照 |
金融統計 |