管理番号:40020020200017
府省:総務省
提供状況
2020-11-01 | 匿名データの提供を受けた者の氏名又は名称 |
田上 皓大 |
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匿名データの提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 |
慶應義塾大学大学院・社会学研究科院生 |
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提供した匿名データに係る統計調査の名称 |
就業構造基本調査 |
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匿名データの利用目的 | 就業構造基本調査の匿名データを用いて「性別職域分離と労働時間の男女不平等の関連」を実施し、性別役割分業に基づく男女間の労働時間の違いが、現代日本における労働市場全体の男女不平等と強く関連していると考え、その要因を明らかにするために実証分析を行う。 | |
備考 |
統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等
匿名データの提供を受けた者の氏名又は名称 |
田上 皓大 |
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提供した匿名データに係る統計調査の名称 |
就業構造基本調査 |
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 | 長時間労働の男女差の要因分解 ―性別職域分離と長時間労働をもたらす仕事特性に注目して― |
作成した統計若しくは行った統計的研究の成果又はその概要 |
本研究では、職業生活や働き方の男女差はどのような要因で説明できるかを検討する。具体的には、労働時間の男女差が職業分布の男女差(性別職業分離)によってどの程度説明できるかを分析する。一般に、男性は女性よりも労働時間が長いことが知られており、これは男性の職業分布が労働時間の長い職業に偏っていることに起因していると考えられる。先行研究では、対人関係や非マニュアル系の仕事で労働時間が長くなる傾向があることが示されており、職業によって長時間労働の割合が異なる可能性がある。本研究では、「対象となる集団における独立変数の分布が、他の集団における分布と同じである」という反実仮想状況におけるアウトカム値を推定するDiNardo-Fortin-Lemieux分解法を用いて、長時間労働の男女差と性別職業分離との関連を分析する。 その結果、以下のことがわかった。1) 独立変数が長時間労働の男女差に及ぼす分布効果は十分に大きく、労働市場における社会人口学的属性や仕事に関する変数の違いを考慮することが重要である。2) 産業、企業規模、勤続年数よりも職業の寄与度が最も大きく、性別職業分離が長時間労働の男女差を説明している。3)しかし、男性の職業分布の特徴は、長時間労働の職業に明確に偏っているわけではなく、「対人・非マニュアル」の職業特性は長時間労働の男女差とは関係がない。このように、働き方の男女差に関しては、職業が重要な役割を担っていると見ることができる。 |
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 | 就業構造基本調査 平成19年 |
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 | DFL要因分解という手法によって、長時間労働割合の男女差に対する、職業分布の男女差の寄与率を分析する統計的研究を行った。 |
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 |
第71回数理社会学会大会(令和3年9月) 慶應義塾大学大学院『社会学研究科紀要』第94号(2023年5月) |