手数料(事務時間)の算出について

  • 手数料の算出のためには、統計センターが行う事務にかかる時間(事務時間)の算出が必要となります。
  • 事務は「申出処理事務」・「調査票情報処理事務」・「審査事務」に分けられ、各事務の合計の時間を基に、1時間までごとに4400円となります。
  • 申出前に、オンサイト利用期間中に統計センターに依頼する事務の分量を想定して事務時間を算出し、e-Microの事前相談の画面にて「調査票情報の提供に要する時間」欄に記載してください。
  • オンサイト利用期間中は、「調査票情報の提供に要する時間」欄に記載された事務時間の範囲内で、統計センターに事務を依頼することができます。
  • 本ページでは、手数料の算出のための基となる事務時間の算出方法について説明します。

1.事務について

 オンサイトに利用による調査票情報の提供を受けるためには、以下の事務に対して、それぞれ事務時間が設定されております。
 詳細は「調査票情報のオンサイト利用の手引」の「第3 事務時間と手数料」も併せて参照ください。

事務 事務内容 手数料の金額
(33条の2に限る)
申出処理事務 手数料の受領、承諾通知書の発行、提供依頼時に発生する基本事務 事務に要する時間
を基に算出
(統計法施行令により
1時間あたり4,400円)
調査票情報
処理事務
オンサイトシステムを使用するための特別な希望に応じた環境整備、
オンサイト環境上にe-Microから持込みができないデータを取り込む事務、
持込みソフトウェアを持ち込む場合等
審査事務 申出者が作成した統計等について、
個人又は法人等の秘匿が適切に確保されているか確認

申出処理事務

 申出、分析結果等の提供依頼及び申出書の記載事項変更時に毎回発生する事務となり、申出1回当たり10分を加算します。

調査票情報処理事務

環境作成等

 e-Microを通して標準的なオンサイト環境が提供される場合、事務時間は不要です。
 申出者の特別な希望に応じたオンサイト環境を作成する場合は、統計センターが対応する事務が発生しますので、事前の相談内容に応じて加算される事務時間が提示されます。

持込みデータ(大容量データ等)取り込み

 e-Microから利用者が行うデータ等の持込みについては、事務時間は不要です。
 e-Microから持込みができない大容量データ、パスワードを設定して持込みたいデータ等、e-Microから持込みができない場合は、統計センターが当該データの取り込み作業を行う事務が発生しますので、1回当たり15分加算します。

持込みソフトウェア取り込み

 オンサイト環境上に、標準で提供されているソフトウェア以外にインストールが必要な持込みソフトウェアがある場合に発生する事務となります。これには、インストールを行う作業以外にも、導入環境の確認・整備、オフライン環境でのライセンス認証などの事務作業、稼働確認があるため、インストールを行うソフトウェア別に時間が定められております。
 過去にインストールを行われて実績があるソフトウェアについてはこちらを参照して、事務時間を加算してください。
 インストール実績がないソフトウェアにつきましては、検証などを行い事務時間のご案内することとなりますので、事前にミクロデータ利活用相談窓口からお問い合わせください。

審査事務

 審査事務は作成した統計等について、オンサイトから持ち出す場合に必要な事務となり、「統計表審査時間」・「回帰分析審査時間」・「その他の持ち出し」の3種類の時間の合計となります。

統計表審査時間

 ここでいう統計表とは、一般的に表頭・表側から構成され、それぞれの項目を並べて作る表で、分析結果等の提供依頼書兼審査報告書における、「Ⅰ統計表」の全て、「Ⅱ統計量」のうち、「最頻値」「総和、平均、構成比、集中度」を取りまとめた表が主として挙げられます。これらは結果表1表当たり10分加算されます。加えて、標準的なチェック内容を満たさない場合は、秘匿処理が必要となります。それらの確認のため、セル秘匿処理が行われている又は標準的なチェック内容を満たさない統計表については、(総セル数)×10秒を加算します。

●計算の具体例(標準的なチェック内容の解説と例を参照)

(標準的なチェック内容の解説と例P.3)
表1の加重有りのみの提供を希望し、表2は補足説明資料として持出しない場合
  1表 : 10分 、セル秘匿処理なし統計表 :加算無し
合計 10分00秒(600秒)

(標準的なチェック内容の解説と例P.3)
表1の加重有りのみ、表2の加重なし、いずれの結果表も持ち出す場合
  2表 : 20分 、セル秘匿処理なし統計表 :加算無し
合計 20分00秒(1200秒)

(標準的なチェック内容の解説と例P.35)
表 52のような秘匿された結果表を持ち出す場合
  1表 : 10分 、セル秘匿処理あり統計表 :16セル(160秒)
合計 12分40秒(760秒)

回帰分析審査時間

 ここでいう回帰分析とは「結果と要因の関係を明らかにする統計手法」で、「分析結果等の提供依頼書兼審査報告書」における、「Ⅱ統計量」における「線形回帰係数、非線形回帰係数」を指します。
 これらは回帰分析結果数一つ当たり1分加算されます。

●計算の具体例(標準的なチェック内容の解説と例を参照)

(標準的なチェック内容の解説と例P28) 表 45のような線形回帰分析結果
  1結果: 1分

 注)例えば、ステップワイズ法などにより目的変数と関係する変数を自動で選択した場合において、最適な結果のみを持ち出す場合は「1結果」とみなすこととしますが、各結果全てを持ち出したい場合には、各々、1結果とみなします。(つまり、自由度一つの確認につき1結果とします)

その他の持ち出し

 分析プログラムや操作ログ等、調査票情報から作成されていない成果物についてはすべてこちらに該当します。「分析結果等の提供依頼書兼審査報告書」における「Ⅲその他」の「分析プログラム、操作ログ等」に該当します。
 これらは、1回の依頼につき120分加算されます(1回の依頼においてはファイルサイズやファイル数などの分量によらず固定)。

2.事務時間の算出

 「1. 事務について」の中で各々の事務で算出した「申出処理事務」、「調査票情報処理事務」及び「審査事務」の全ての時間を合計したうえで、分以下を切り上げた時間が「調査票情報の提供に要する時間」となります。

3.手数料の算出

 法第33条の2第1項に該当する申出の場合は、「2.事務時間の算出」で計算した「調査票情報の提供に要する時間」に、1時間当たりの4,400円を乗算した時間が手数料となります。

4.計算例

・事例1

統計表の提供を希望する場合
  (統計表:9セル×10セルを5表の持出を1回、いずれの表も秘匿処理なしの場合)

事務 事務時間 補足
申出処理事務 20分 ・新規申出  1回
・分析結果等持出 1回
調査票情報
処理事務
―― 該当なし
審査事務 50分 1表当たり10分×5表
合計 70分
(8,800円)
統計法施行令により1時間当たり4,400円(1円未満切捨て)
のため、1時間10分は2時間と計算

・事例2

STATA18をインストール、及び統計表の持出1回を希望する場合
  (統計表:1表9セル×10セルとして、2表が秘匿あり・3表が秘匿なしとした場合)

事務 事務時間 補足
申出処理事務 20分 ・新規申出  1回
・分析結果等持出 1回
調査票情報
処理事務
120分 持込みソフトウェア取り込み
STATAインストール120分
審査事務 80分 1表当たり10分×5表
2表秘匿あり。合計180セル(1800秒)
合計 220分
(17,600円)
統計法施行令により1時間当たり4,400円(1円未満切捨て)
のため、3時間40分は4時間と計算

・事例3

回帰式による分析結果の提供1回を希望する場合
  (例:回帰分析10結果の提供の場合)

事務 事務時間 補足
申出処理事務 20分 ・新規申出  1回
・分析結果等持出 1回
調査票情報
処理事務
―― 該当なし
審査事務 10分 回帰分析結果1つ当たり1分×10結果
合計 30分
(4,400円)
統計法施行令により1時間当たり4,400円(1円未満切捨て)
のため、30分は1時間と計算

事務手数料は、研究費を管理する大学等の組織から納付することも可能です。

5.手数料納付についての注意

 手数料は申出書に記載された事務時間から算定されます。そのため、一度手数料を納付されますと、オンサイト利用期間中に実際に統計センターに依頼した事務時間の合計が申出書に記載された事務時間より短かった場合であっても差額の還付は受けられませんのでご注意ください。ただし、統計センターに依頼した事務時間の合計が「調査票情報の提供に要する時間」を超過する場合は、手数料の額が不足することから、記載事項変更を行い、事務時間の追加を行う必要があります。
 従って、持ち出す統計表・回帰分析結果等の分量について事前に計算できない場合については、申出時においては、調査票情報の提供を受けるために必要な「申出処理事務」「調査票情報処理事務」時間のみを算出し、「審査時間」については0分としたうえで、分析結果を作成した後にそれに応じた納付をすることも可能です。
 ただし、その場合は、記載事項変更手続きの際に、「申出処理事務」の10分も追加で要すること、記載事項変更手続きが完了し、手数料の納付が完了するまでは、分析結果等の持出もできないことから、時間に余裕をもってご依頼いただくことが必要となります。