管理番号:10020020190026
府省:総務省
提供状況
2019-11-11 | 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 |
藤原 翔 多喜 弘文 吉田 崇 尾嶋 史章 阪口 祐介 有田 伸 古田 和久 石田 浩 |
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調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 |
東京大学社会科学研究所准教授 法政大学社会学部准教授 静岡大学人文社会科学部准教授 同志社大学社会学部教授 桃山学院大学社会学部准教授 東京大学社会科学研究所教授 新潟大学人文社会科学系准教授 東京大学社会科学研究所教授 |
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提供した調査票情報に係る統計調査の名称 |
就業構造基本調査 |
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調査票情報の利用目的 | 文部科学省科学研究費助成事業挑戦的研究(萌芽)『公的統計データを用いた領域横断的格差研究の実施と教育』の一環として、社会階層と不平等について調査票情報を用いて分析するため。 | |
備考 | 旧管理番号:11119026 |
統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等
調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 |
藤原 翔 多喜 弘文 吉田 崇 尾嶋 史章 阪口 祐介 有田 伸 古田 和久 石田 浩 |
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提供した調査票情報に係る統計調査の名称 |
就業構造基本調査 |
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 | ①職業的地位尺度の構築と応用 ②妻の就業と夫婦間所得不平等 -就業構造基本調査・個票データを用いた基礎分析- ③女性の学歴と就業の趨勢 ④大卒者の職業構成に関する分析 ⑤入職コーホートと中年期における地位・所得:初職非正規拡大の媒介効果の検討 ⑥残存率の推計からみた労働市場の流動化 ⑦就業構造基本調査を用いた収入格差の要因分解―時点間の変化に着目して |
提出された統計若しくは統計的研究の成果又はその概要 |
①就業構造基本調査の職業,所得,学歴の情報を用いて,国勢調査で用いられている231の職業について社会経済的地位(JSEI)と社会的地位(JSSI)に関するスコアを推計した.推定したスコアをもとに職業やスコアの特徴を記述し,両スコアのパフォーマンスについてSSM調査を用いて検討した。 ②女性の就業率の変化を時点毎に有配偶者に関して検討した上で、夫婦間の所得の不平等の変化を明らかにした。全体として、夫婦間所得不平等は80年代から90年代にかけて縮小したが、それ以降は大きく変化していない。しかし一方で妻の所得の夫所得に占める割合は増加しており、夫が高所得の場合、無職(所得なし)の妻と、高所得の妻が併存している状態が若い世代で増加していることが明らかになった。今後の所得不平等を考える際の、重要な知見であるといえる。 ③就業構造基本調査を用いて、無業状態にある者の多様なパターン(失業、非労働力、浪人など)を年齢や性別ごとに集計し、その推移を時系列で比較した。そうした多様な無業状態と本人学歴や婚姻状況および世帯情報との関連を様々な形で検討した。また、女性の学歴と有業かどうかおよびその職業との関連について、専門職に注目して明らかにした。 ④就業構造基本調査(平成19年、平成24年、平成29年)から、年齢層ごとの学歴と職業小分類の組み合わせを、従業上の地位等も含めて探索的に分析し、近年の若年大卒者が就く職業的特徴を検討した。その結果、男性では大卒者の専門・技術職従事率は、調査時点や年齢層の間で大きな変動がない一方、若年層の大卒者は医療系専門職や情報処理技術者に就く割合・規模が大きい傾向にあることが明らかになった。 ⑤就業構造基本調査から、初職雇用形態と入職コーホートを作成することで、入職コーホートが中年期の所得と雇用形態に与えた影響(入職コーホート効果)と、入職コーホート効果がどの程度、初職非正規雇用拡大によって媒介されているのか(初職非正規雇用の媒介効果)を、男女別に推定した。その結果、男性よりも女性の方が、非正規雇用拡大の媒介効果が大きく、女性では、所得上昇と正規化という入職コーホート効果と、初職非正規雇用の拡大が所得低下と非正規化をもたらしたという媒介効果が相殺していることがわかった。 ⑥残存率の推計からみた労働市場の流動化(2020年度二次分析研究成果報告会) 就業構造基本調査の勤続年数の情報を用い、加藤隆夫・神林龍「1980年代以降の長期雇用慣行の動向」(『経済研究』2016年,67巻4号)の方法に準拠して残存率および生存率を求めた。具体的には、調査時点ごとに性別、年齢(5歳階級)、学歴別の勤続年数のクロス集計を行った。これを出生コーホートと時点の情報に基づき、疑似パネルデータに変換し、5年後の勤続年数を比較することで残存率および生存率を求めた。女性の就業継続率の上昇が確認できた。 ⑦就業構造基本調査の性別,年齢,学歴,職業,企業規模,従業上の地位,産業,就業日数,就業時間の情報を用いて,勤労収入の規定要因分析と,その結果に基づき勤労収入の分散の分解を行った.これにより,勤労収入の分散に対しては,男女とも企業規模の影響が大きく,従業上の地位の影響も増加しつつあることが示された.さらにこれらの変数の分布も同時に確認し,分析結果の解釈に用いた。 |
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 | "(調査名) 就業構造基本調査 (年次) 昭和57年 昭和62年 平成4年 平成9年 平成14年 平成19年 平成24年 平成29年 (地域) 全国 (統計的研究に利用した調査票情報) 男女の別、配偶者の有無、世帯主との続き柄、出生の年月、在学・卒業等教育の状況、教育・学校区分、ふだんの就業・不就業状態、産業、職業小分類、職業大分類、 従業上の地位、従業者規模、年間収入、年間収入、現職の就業日数・就業時間、個人所得、仕事を始めた時期、前の仕事の有無、求職の有無、前職を辞めた時期、 前職の継続期間、前職の従業上の地位・雇用形態、初職は現職・前職と同じか、初職についた時期、初職の雇用形態、集計用乗率 |
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 | ①JSEIについてはSSM調査から職業威信スコアと231の職業をマッチさせ,そのスコアを所得と学歴で予測するモデルを回帰分析により構築した.また対数線形モデルを用いた職業,所得,学歴の関連からスコアを推定した.また,JSSIについては夫婦の職業のクロス表に対して連関モデルを適用することによって推定した。 ②世帯主とその配偶者のデータを作成し、両者の収入のクロス表から収入間の関係を明らかにした。また合算収入を求め、各自の収入ならびに合算収入からジニ係数を計算しその変化を記述した。 ③世帯情報を用いる際に続き柄を利用して夫婦や親子を特定し、乗率を用いて集計をおこなった。具体例としては、既婚無業者の学歴ごとの配偶者学歴や配偶者の職業割合の集計や、有業ダミーを従属変数とする二項ロジスティック回帰分析に配偶者の属性変数を独立変数として投入するなどの分析をおこなった。なお、従業上の地位には調査年次によって異なる部分があったため、可能な限り揃えて集計した。 ④利用した変数の各ペアのクロス表からBurt matrixを作成し、これに多重対応分析を適用するにより、各変数カテゴリーの布置を多次元の空間上にプロットした。 ⑤「初職は現職・前職と同じか」の質問から、パターンを分けて、現職、初職、前職の情報から個々の調査対象者の初職の雇用形態、初職入職の時期を特定し、ロジスティック回帰分析を適用することで、中年期の所得と雇用形態への入職コーホート効果および初職非正規雇用の媒介効果を推定できた。 ⑥乗率を使用することで、性別・学歴別・年齢階層別の勤続年数分布を求めることができ、時系列に接続することで疑似パネルデータを作成できる。 ⑦年間収入の自然対数値を従属変数とする重回帰分析を行った。さらにその結果に基づきRegression Based Income Decompositionを行い,年間収入の分散の分解を行った。 |
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 |
成果等
現代日本における社会経済的地位と社会的地位 尺度構成とその応用 | ①現代日本における社会経済的地位と社会的地位 尺度構成とその応用.pdf(378.0 KB) |
女性の学歴と就業の趨勢―就業構造基本調査1979-2017の個票データを用いて | ③女性の学歴と就業の趨勢.pdf(1.4 MB) |
日本における無業者の類型と趨勢 | ③日本における無業者の類型と趨勢.pdf(880.5 KB) |