管理番号:10045020220093
府省:厚生労働省
提供状況
2022-09-02 | 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 |
慶應義塾大学 |
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調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 |
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提供した調査票情報に係る統計調査の名称 |
国民生活基礎調査 |
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調査票情報の利用目的 | 厚生労働省による「厚生労働行政推進調査事業」の補助を受け、「公的年金制度の所得保障機能・所得再分配機能に関する検討に資する研究」の一環として、我が国における公的年金制度について、パネルデータ分析の手法を用いて分析を行う。また、老齢年金制度設計の前提に関する経時的変化の追跡、障害者の生活・就労状況の分析や、配偶者や親と死別・離別した者の 所得・消費・就労状況の分析等も併せて行い、2024年の財政検証を踏まえて行うことが見込まれている次期年金制度改正のための基礎資料を得る。 | |
備考 |
統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等
調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 |
慶應義塾大学 |
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提供した調査票情報に係る統計調査の名称 |
国民生活基礎調査 |
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 | 公的年金制度の所得保障機能・所得再分配機能に関する検討に資する研究 |
提出された統計若しくは統計的研究の成果又はその概要 |
公的年金と高齢者の就業、所得、資産の関係を検討するため、以下の研究を行った。 ・研究(a)「年金受給開始年齢の引き上げと高年齢女性の就労」 年金受給開始年齢の引き上げによる高年齢女性の就業の変化について考察を行い、受給開始年齢が引き上げられたコホートでは、失業率が上昇していた。 ・研究(b)「公的年金支給開始年齢の引き上げと高齢者の貧困」 年金受給開始年齢の引き上げによる高年齢男女の就業の変化について考察を行い、定額部分だけではなく報酬比例部分の受給開始年齢が引き上げられたコホートでは、正規雇用の継続就業が増加していた。 ・研究(c)「就職氷河期世代の世帯所得」 就職氷河期世代以降のコホートでは、相対所得が低下しているわけではないが、コホート内の所得格差が上昇していた。 ・研究(d)「離死別女性の貧困と公的年金制度」 高齢女性の配偶関係別に貧困率の分析を行った。公的年金による貧困削減効果は上昇したものの、死別高齢女性の単身割合の上昇が大きく、結果として死別高齢女性の貧困率は上昇することになったことを示した。また、離別女性の貧困率は高い水準で推移していた。 ・研究(e)「配偶関係別にみた高齢女性の貧困と公的年金制度」 (d)と同様の内容となる。 ・ 研究(f)「就職氷河期世代の所得格差」 (c)と同様の内容となる。 ・ 研究(g)「家計の金融資産・負債と所得分配」 所得分配と金融資産・負債に関する指標を作成し、2000年代以降の傾向について把握した。その結果、家計の脆弱性を示す資産貧困率は低・中所得層において上昇していた。 |
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 | (調査名) 国民生活基礎調査(基幹統計調査) (年次) 昭和61、平成元、4、7、10、13、16、19、22、25、28年、令和元年 (地域) 全国 (統計的研究に利用した調査票情報)男女の別、配偶者の有無、世帯主との続き柄、出生の年月、在学・卒業等教育の状況、ふだんの就業・不就業状態、従業上の地位、雇用形態、子どもの数、世帯全体の年間収入、都道府県、市町村、年齢、世帯主年齢、貯蓄・借入金の状況 |
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 | 年金受給開始年齢の効果をみるため高齢者のコホート別の就業状態についてそれぞれの割合を計算した。就職氷河期世代の所得格差をみるためコホート別の相対所得とジニ係数の推計を行った。公的年金の貧困削減効果をみるため世帯所得の定義別に相対的貧困率の推計を行った。家計の経済的脆弱性を検討するため、資産貧困率や過剰負債率の推計を行った。 |
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 |
『生活協同組合研究』556号2022年5月 |
成果等
『週刊社会保障』2023年9月(予定)
『個人金融』2023年10月(予定)
『共済新報』2023年11月(予定)
『社会政策』15巻2号以降(2023年度中予定)