管理番号:40020020200006
府省:総務省
提供状況
2020-07-08 | 匿名データの提供を受けた者の氏名又は名称 |
張 加斌 白川 清美 |
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匿名データの提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 |
一橋大学大学院経済学研究科院生 一橋大学経済研究所非常勤研究員 |
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提供した匿名データに係る統計調査の名称 |
国勢調査 就業構造基本調査 社会生活基本調査 |
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匿名データの利用目的 | 国勢調査,就業構造基本調査,社会生活基本調査の匿名データを用いて「AIによる職業淘汰とジェンダーギャップへの影響」を実施し、最新技術動向や国内外の企業の取り組みが既存職業に及ぼす影響の実証分析を行う。 |
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備考 |
統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等
匿名データの提供を受けた者の氏名又は名称 |
張 加斌 白川 清美 |
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提供した匿名データに係る統計調査の名称 |
国勢調査 就業構造基本調査 社会生活基本調査 |
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 | AIによる職業淘汰とジェンダーギャップへの影響 |
作成した統計若しくは行った統計的研究の成果又はその概要 |
本研究では、国勢調査、就業構造基本調査、社会生活基本調査を使用した。先行研究で使用された個別個票データの232の職業サブカテゴリとは異なり、本研究で使用した匿名データは11の職業メジャーなカテゴリーであり、雇用構造は66の職業サブカテゴリ(非ターゲットを含む)であった。 本研究の一つの職種に浜口と近藤(2017)の複数の職種が該当する場合は、単純平均によって平均的なコンピュータ化確率を計算している。本研究では高スキル職種を「管理職」「専門職技師、准技師」など、中スキル職種を「事務補助員」「サービス販売従事者」など、低スキル職種を「定型的業務の従事者」などと定義した。分析の結果、高スキル職種は最も低いコンピュータ化確率(AI度)になり、定型的業務の従事者の仕事はコンピュータ化される可能性がかなり高いことが分かった。 そして、いま日本では、中スキル職種における就業者が減少する一方で、低スキル職種、高スキル職種における就業者が増加する傾向にある。OLSモデルで職業別AI度による職種の変化が、どんな人の労働に影響するか分析した。その結果、個人所得が高ければ高いほど、提供される労働時間は長くなることが分かった。世帯の収入が高ければ高いほど、労働意欲は低くなるので、負の相関関係がある。 次に、労働年数と教育レベルが高いほど、労働時間は短くなることがわかった。この結果は、Frey and Osborne(2017)の結論と同じであった。世帯別では、夫婦のみの世帯では、男性は女性よりも労働時間が少なくなる。6歳未満の子供の数が増えると、夫婦の労働時間が減少することを示している。そして各所得クラスの労働時間に対する職業の影響を確認するために、各所得クラスの回帰をグループ化した結果、最低所得クラス(年間収入300万未満)が最も影響を受ける結果になった。これは、A FUTURE THAT WORKS: AUTOMATION, EMPLOYMENT, AND PRODUCTIVITY(2007)の結論と同様であった。一般的に、今後のAIの発展に伴い、様々な職業内容の置き換えが増加し、仕事内容の変化に最も大きな影響を与えるのは夫婦のみ世帯であった。次に夫婦と子供から成る世帯であり、単身世帯への影響が最も少なかった。低所得グループは明らかに高所得グループよりも影響を受けている。将来のAIの置き換えの程度は、正規の雇用者よりも非正規な雇用者に大きな影響を与えることが明らかである。 |
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 | 国勢調査 平成17、27年 就業構造基本調査 平成19年 社会生活基本調査(調査票B・生活時間編) 平成18年 |
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 | 匿名データを用いて、職業別AI度による業務の変化が人の労働時間に影響することについて分析を行った。 個人の社会的属性や、家族の属性や従業者職業と地域区分に関する属性を説明変数とした回帰分析を行った。 |
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 |
・2020年度「統計関連学会連合大会」2020年9月9日・一橋大学令和2年度研究集会「匿名データ等促進ワークショップ」2020年11月28日・修士論文 2021年1月12日 |
成果等
2020年度「統計関連学会連合大会」 | AIによる職業淘汰とワークライフバランスへの影響.pdf(1.7 MB) |
修士論文 | 修士論文(要旨).pdf(500.3 KB) |