管理番号:40020020220025

府省:総務省

提供状況

2022-12-22 匿名データの提供を受けた者の氏名又は名称 徳田  賢二
李  春霞
匿名データの提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 開志専門職大学事業創造学部・教授
新潟県立大学北東アジア研究所・准教授
提供した匿名データに係る統計調査の名称 全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)
匿名データの利用目的 全国消費実態調査の匿名データを用いて「平成時代における消費構造変化の分析」を実施し、大きな経済環境変化の中で、家計消費がどのように構造変化しているか、世代別、家計属性、地域など様々な視点から検証する。また、前回分析に利用した1989~2004年までの匿名データに2009~2014年の匿名データも加え、その後のリーマンショックを経た構造変化についても検証する。
備考 2023/4/7【所属等変更】
変更前:李 春霞(公益財団法人環日本海経済研究所調査研究部・研究主任)
変更後:李 春霞(新潟県立大学北東アジア研究所・准教授)

統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等

匿名データの提供を受けた者の氏名又は名称 徳田  賢二
李  春霞
提供した匿名データに係る統計調査の名称 全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 平成時代における消費構造変化の分析
作成した統計若しくは行った統計的研究の成果又はその概要 平成時代(1989〜2019年)は、バブル崩壊、長期停滞、税・社会保障負担の増大など、家計に大きな構造変化をもたらした時期である。両論文は、総務省「全国消費実態調査」匿名個票データ(1989〜2014年)を用い、家計の収入・支出構造、義務的支出、金融資産形成の変化を多面的に分析している点に特徴がある。
 第1論文(その1)では、特に中核的な生産年齢層(30〜50代)に焦点を当て、家計の逼迫構造を明らかにする。可処分所得や消費支出が伸び悩む一方で、食料・電気代・交通費・保健医療費などの節約困難な義務的支出が増加し、教育費負担も重く、住宅ローン返済が家計を圧迫している。支出弾力性の推計では、食料は0.5前後で強い必需性を示し、外食や自動車購入などは弾力性1超の選択的支出であるが、所得低迷に伴い多くの項目で選択的支出が抑制されている。結果として、中核世代のネット貯蓄(貯蓄-負債)はマイナス化し、家計余力の低下が統計的にも裏付けられた。
 続編である第2論文(その2)は、家計年間収入と金融資産形成に焦点を当てている。年間収入の平均は1994年をピークに明確な低下傾向を示し、回帰分析でも1999〜2014年のダミー変数はいずれも有意に負となり、「失われた30年」における持続的所得低下が確認された。特に製造業・建設業、さらに35〜59歳の現役世代では、上位所得階層から中下位層へのシフトが顕著である。
 支出構造の計量分析では、住宅ローン返済は収入と強く連動しつつも負担が増加し、非消費支出(税・社会保険料)も上昇。預貯金・保険・有価証券購入などの金融資産形成額は一貫して減少し、家計余力の縮小が定量的に示された。典型的な「夫婦+子1〜2人」の世帯や単身に近い2人世帯に限定した分析でも、同様の所得低下と資産形成の悪化が確認されており、家計の脆弱化は属性によらず広範に進行している。
 両論文を総合すると、平成時代の家計は、「収入減少」、「義務的支出増とローン負担増」、「選択的支出の圧縮」、「貯蓄・金融資産の減退」という四重の圧力下で、構造的な余裕喪失に直面していたことが明確となる。
 この結果は、現役世代への再分配や所得基盤の強化といった政策的重要性を示唆している。
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 全国消費実態調査  平成1, 6, 11, 16, 21, 26年
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 支出項目別の支出弾力性、義務的支出の割合の計算を通じ、平成時代の家計の消費構造の変化の分析、ケインズ型消費関数を利用した計量分析を実施した。
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 イノベーション力研究 2024/09/17、2025/09/05

成果等

平成時代における消費構造変化の分析(その1)
平成時代における消費構造変化の分析(その2)