管理番号:40045020230009
府省:厚生労働省
提供状況
2024-03-13 | 匿名データの提供を受けた者の氏名又は名称 |
山端 浩 長峯 靖幸 Julieta Marotta |
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匿名データの提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 |
国際労働機関社会保護局 上級数理専門官 マーストリヒト大学 大学院生 マーストリヒト大学 Programme director |
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提供した匿名データに係る統計調査の名称 |
国民生活基礎調査 |
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匿名データの利用目的 | 国民生活基礎調査の匿名データを用いて、教育「Master thesis」を実施 | |
備考 |
統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等
匿名データの提供を受けた者の氏名又は名称 |
山端 浩 長峯 靖幸 Julieta Marotta |
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提供した匿名データに係る統計調査の名称 |
国民生活基礎調査 |
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 | 教育「Master thesis」 |
作成した統計若しくは行った統計的研究の成果又はその概要 |
修士論文 “Roles and Impacts of the Public Pension System on Elderly Life : A Case Study of Japan” 要旨 日本の年金制度は、その導入時から大きく形を変え、ビスマルク社会保険モデルから、ビバレッジ基礎年金と所得比例の両方の要素を含む制度になったといえる。当初は、ビスマルク型の原則をモデルとし、所得代替をとおして、退職者の生活水準を維持させることを目的とした制度であった。その後、ビバレッジ型の特徴が組み込まれ、財源が税と保険料の両方に分散化がなされた。とりわけ、低所得者と高所得者にとって累進的性格を持つ税の影響は保険料のそれとは異なることから、この財源の混在した構造により、保険料納付者にとっての貯蓄/保険の機能と、高所得者/低所得者及び高齢世代/若者世代の間の所得分配機能が複雑な形で日本の年金制度に組み込まれていることが示唆される。 日本の人口動態の変動(高齢化、低出生率、寿命伸長)により、年金制度の持続可能性が危機に立たされている。これらのトレンドにより、納付義務により負担がある生産年齢人口が減っている中で、年金給付費が増加していく必要性に迫られている。さらに、単身世帯の増加や3世代家族間の助け合いの希薄化等、世帯構成が変化していく中で、政府による高齢者へのフォーマルなサポートの重要性が増していくことが明らかである。 (匿名データを用いた)分析から、日本の年金制度は、高齢者間の貧困や不平等を軽減させる重要な機能があることが分かる。年金給付がない場合、高齢者の貧困率はかなり高くなるであろう。しかしながら、特に高齢単身世帯間の格差が存在し、高齢者の貧困削減としての年金の機能の限界が明らかである。さらに、全人口の所得上位1%に位置する、所謂超金持ちの所得を再分配することによって、不平等を解消する力が公的年金機能に備わっているかどうかは不明確である。 貯蓄に加えて、家族との同居又は定年退職後の雇用所得は、緩衝材として、年金給付とともに、高齢者の補足的な金銭保障をもたらし、金銭面での安定や総合的なウェルビーイングを向上につながる。一方、特に貯蓄がない貧困高齢単身世帯は、かなり高い貧困リスクに直面している。 貧困、不平等、社会的排除を解消するという公的年金制度の機能に限界があることを考慮すると、雇用、教育、公的年金改革(例、受給年齢引き上げ、厚生年金のパートタイム労働者への適用拡大、年金教育の普及)等の総合的な政策が必要であるといえる。さらに、高齢者世代間で所得を再分配することによる、世代内の支えあいという考え方の導入を検討するべきである。 |
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 | 国民生活基礎調査 平成7,10,13,16,19,22,25,28年 |
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 | 統計ソフトであるSTATAを活用して匿名データを加工し、OECDが定める相対的貧困率、ジニ係数等の不平等に関する指標を算出 |
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 |