管理番号:10020020200005

府省:総務省

提供状況

2020-06-15 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 原 ひろみ
調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 日本女子大学家政学部家政経済学科准教授
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 就業構造基本調査
調査票情報の利用目的 (科学研究費補助金(基盤研究 (C))、課題番号:19K01725)「企業の雇用管理への政策介入が子どものいる従業員と企業の経済厚生に与える影響の分析」の一環として、労働者が離職した場合の公共職業訓練の効果について、調査票情報を用いて分析するため。
備考

統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等

調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 原 ひろみ
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 就業構造基本調査
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 The Effect of Public-Sponsored Job Training in Japan
提出された統計若しくは統計的研究の成果又はその概要 公共職業訓練の1つである離職者訓練の短期的な効果を個票データを用いて、プロペンシティスコアマッチング法で推計した。効果の指標として、就業確率、所得、正社員雇用確率の3つを取上げた。分析の結果、男女ともに、離職者訓練の受講は就業確率を統計的に有意に高めることが示された。しかし、その効果は女性の方が大きい。また、所得と正社員雇用確率に関しては、男女で異なる結果が得られた。すなわち、女性に関しては統計的に有意な正の効果が得られたが、男性に関しては有意な結果は得られなかった。以上の結果から、離職者訓練は男性よりも女性への効果の方が大きいことが示唆される。この結果は、複数のロバストネスチェックによっても支持された。
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 (調査名) 就業構造基本調査
(年次)  平成19、24、29年
(地域)  全国
(統計的研究に利用した調査票情報) 男女の別、配偶者の有無、世帯主との続き柄、出生の年月、教育 就学状況 卒業時期、教育 学校区分、あなたはふだん何か収入になる仕事をしていますか、勤めか自営かの別・勤め先における呼称、勤め先の経営組織、勤め先の事業の内容、本人の仕事の内容、勤め先・業主などの企業全体の従業者数、この仕事からの1年間の収入又は収益(税込み)、この仕事にはいつついたのですか、どうしてこの仕事についたのですか、どうして今の雇用形態についているのですか、1年前は何をしていたのですか、現在のおもな仕事につく前に何か別の仕事をしていたことがありますか、1年前は何をしていましたか、今までに何か仕事をしていたことがありますか、前の仕事をいつやめたのですか、前の仕事はどれくらい続けていたのですか、どうして前の仕事をやめたのですか
前の仕事の勤めか自営かの別・勤め先における呼称、前の仕事の雇用契約期間の定めの有無・1回当たりの雇用契約期間、勤め先・業主などの事業の内容(前職)、本人の仕事の内容(前職)、最初についた仕事は現在の仕事又は前の仕事と別ですか、「最初の仕事」にはいつついたのですか、「最初の仕事」の勤めか自営かの別・勤め先における呼称、この1年間に仕事に役立てるための訓練や自己啓発をしましたか、訓練や自己啓発の種類、都道府県番号
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 離職者訓練の受講と就業確率、所得、正社員雇用確率との関連性に関する分析を行うため、上記調査票情報を用いてプロペンシティスコアマッチング法で推定した。具体的には、就業確率、所得、正社員雇用確率それぞれを被説明変数とするモデルを分析モデルとして設定した。各変数の作成は以下を参照のこと。

①公共職業訓練(離職者訓練)に関する変数
施設内訓練と委託訓練、ならびに公共職業訓練(離職者訓練)を設定する。
施設内訓練は、「この1年間に仕事に役立てるための訓練や自己啓発をしましたか」という問に「した」と回答した者のうち、「公共職業能力開発施設の講座の受講」の「自発的に行ったもの」、「うち公的助成のあったもの」を選択した者を「施設内訓練の受講」と定義し、それ以外を非受講とする。
また、委託訓練は、「大学・大学院の講座の受講、専修学校・各種学校の講座の受講、講習会・セミナーの傍聴、勉強会・研修会への参加、通信教育の受講、その他」のいずれかの「自発的に行ったもの」、「うち公的助成のあったもの」を選択した者を「委託訓練の受講」と定義し、それ以外を非受講とする。
そして、施設内訓練と委託訓練のいずれかを受講した者を公共職業訓練(離職者訓練)を受講した者と定義した。

②労働市場における成果を表す変数
ふだんの就業の有無(就業確率)、雇用形態(正社員雇用確率)、時間給を用いる。これらの変数に対する公共職業訓練(離職者訓練)の効果をそれぞれ計算した。
また、所得については、中位値を用いた。ただし、1年間の所得の「収入なし・50万円未満」を選択した者の中位値は、無業の者については0、有業の者については50万円とし、「1500万円以上」を選択した者については、1500万円とする。1週間の就業時間についても同様に、「15時間未満」を選択した者は15時間、「75時間以上」を選択した者は75時間とした。
学術雑誌等の名称及び掲載年月日

成果等

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0889158321000666?via=ihub