管理番号:10020020262043

府省:総務省

提供状況

2026-09-09 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 安藤道人
古市将人
深井太洋
金山隼人
調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 立教大学経済学部教授
中央大学経済学部准教授
学習院大学経済学部准教授
早稲田大学大学院経済学研究科博士課程
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 国勢調査
社会生活基本調査
調査票情報の利用目的 本研究の目的は、戦前から戦後にかけての教育・社会保障政策の財政的変動が、人々の経済的・社会的アウトカムに及ぼした中長期的影響を実証的に明らかにすることである。具体的には、戦後の教育費・医療費の拡大、教育費の地域間格差の縮小、1980年代の保育費・保育供給の停滞といった財政的変動が、就業、職業選択、家族形成、出生、家事・育児分担、余暇活動等にどのような影響を及ぼしたのかを検証する。
教育・社会保障制度は、所得保障やサービス提供を通じて個人・世帯の生活を直接支えるだけでなく、教員・看護師・保育士等の雇用創出、女性就業の拡大、人的資本形成、家族行動や生活時間配分の変化を通じて、社会全体の構造にも長期的な影響を与えうる。しかし、日本において、こうした制度・財政変動の長期的影響を体系的に検証した研究蓄積はなお限定的である。とくに、戦前・戦後に形成された教育・社会保障財政の地域差が、その後の個人の就労・家族・生活行動にどのように反映されたのかについては、十分な実証的知見が得られていない。

この課題を検証するためには、都道府県・市町村レベルの長期地方財政データと、個人・世帯レベルの調査票情報を結合して分析する必要がある。公開集計表のみでは、出生コホート、居住地域、性別、年齢、配偶関係、子どもの有無、学歴、就業状態、職業、生活時間等を柔軟に組み合わせた分析が困難であり、政策効果の異質性やメカニズムを十分に検証できない。とりわけ本研究では、地域ごとに異なる財政変動の強度と、出生コホートごとに異なる政策暴露の差を利用するため、個票データに基づく詳細な地域・コホート別分析が不可欠である。

本研究は、教育・社会保障財政が日本社会の雇用構造、家族形成、ジェンダー関係、生活時間配分に与えた歴史的影響を明らかにするものであり、現代の教育政策、保育政策、医療・社会保障政策、地方財政制度を評価するうえでも重要な基礎資料を提供する。したがって、調査票情報を用いた二次利用分析を行う必要性は高い。
備考