管理番号:10045020230066

府省:厚生労働省

提供状況

2023-12-14 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 中谷 友樹
調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 東北大学環境科学研究科 教授
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 社会保障・人口問題基本調査(人口移動調査)
調査票情報の利用目的 科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)「個人のライフコースと地域環境の変化を統合する健康地理学の研究」(基盤研究A)の一環として、人口移動調査を利用した分析に必要な基礎資料を得る。
備考

統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等

調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 中谷 友樹
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 社会保障・人口問題基本調査(人口移動調査)
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 個人のライフコースと地域環境の変化を統合する健康地理学の研究
提出された統計若しくは統計的研究の成果又はその概要 「個人のライフコースと地域環境の変化を統合する健康地理学の研究」
 ライフステージの進展とともに多くの人は居住地の移動を経験する。居住地域の環境は居住者の状態(健康など)に大きな影響を与えるため、移動やその履歴と現在の個人の状態は密接に関係している。しかし、移動履歴を捉えられるデータの不足から、日本における移動行動や居住地履歴自体が未探索の状態にある。本研究では、人口移動調査の調査票情報の分析を行い、移動履歴と移動行動の関係と移動行動のコホート間の差異に関する分析を行った。
移動行動と履歴の関係として、これまで居住した都道府県数が多い、すなわち移動回数が多い人ほど、その動機にかかわらず次の移動意思を持ちやすいことが明らかとなった。また、移動意思を持つ人の中では移動回数のいい人は教育・雇用に関連する動機を持ちやすい傾向にあり、この結果は、移動と個人の状態としての職業的地位達成の関係を示唆している。移動行動のコホート間の差異としては、景気変動の影響を受けた時期に応じて、移動率に差が生じており、これがその後年齢を経るごとに変化していることが確認された。これらの差異は人口推計におけるずれの要因になり得るものであり、コホートを考慮することの必要性を示唆している。
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 (調査名)社会保障・人口問題基本調査(人口移動調査) 
(年次) 平成3(1991)年、平成8(1996)年、平成13(2001)年、平成18(2006)年、
     平成23(2011)年、平成28(2016)年
(地域) 全国
(統計研究に利用した調査票情報) 出生年月、性別、現在の配偶者の有無、教育、職業、
                 引っ越しの経験、現在の居住都道府県、5年前の居住地、
                 5年後に居住地が異なる可能性、
                 生まれてから現在までに3ヶ月以上居住したことのある都道府県
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 将来の移動意思および移動動機と個人属性の関連性に関する分析を行うため、上記調査票情報を用いて多項および二項ロジットモデル分析を行う。具体的には、5年度に居住地が変わる可能性があるかを被説明変数とするモデルとその可能性に関する動機を被説明変数とするモデルの2つを分析モデルとして設定する。上記とは別で、5年前の居住都道府県と現在の居住都道府県を比較することで5年間の移動を定義し、それを被説明変数とするage-period-cohort-interactionモデルを設定する。
学術雑誌等の名称及び掲載年月日

成果等

「2024年人文地理学会大会 研究発表要旨」
「2025年日本地理学会春期学術大会 発表要旨集」