管理番号:10050020190003

府省:農林水産省

提供状況

2020-01-20 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 阿久根 優子
調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 日本大学生物資源科学部准教授
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 農業経営統計調査
調査票情報の利用目的 科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)の補助金を受け、テーマ「動学的応用一般均衡モデルを用いた高温耐性品種米普及による地域経済への評価分析」及び「季節予報に基づく作物・エネルギー・経済モデルによる世界食料価格の予測精度と限界」の研究の一環として、生産性への影響要因(生産者固有の特徴)を明らかにするため
備考 旧管理番号:11719003

統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等

調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 阿久根 優子
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 農業経営統計調査
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)「動学的応用一般均衡モデルを用いた高温耐性品種米普及による地域経済への評価分析」及び「季節予報に基づく作物・エネルギー・経済モデルによる世界食料価格の予測精度と限界」
提出された統計若しくは統計的研究の成果又はその概要 研究のうち「季節予報に基づく作物・エネルギー・経済モデルによる世界食料価格の予測精度と限界」に係る成果の概要は、以下のとおり。
【概要(季節予報に基づく作物・エネルギー・経済モデルによる世界食料価格の予測精度と限界)】
これまで、企業の異質性と製品差別化の役割は製造業を中心に明らかにされる一方で、農業は同質財を生産する産業として捉えられてきた。しかしながら、品種改良やブランディングなどを通じて、農業も製品差別化を志向する産業の1つであり、わが国の政府はグロバール化への対応として、差別化された農林水産物や食品の輸出促進によりこれらの産業活性化を進めている。本研究では、応用一般均衡分析を用いて、穀物以外の5つの農水産物・食品にかかわる政策の妥当性を検証した。具体的には、日本の3つの貿易交渉を踏まえ、輸出における固定費用の削減による輸出促進策についてシミュレーションを行った。その結果、貿易自由化で輸出を増加させ国内生産を維持する農林水産物・食品の生産部門は限られていたが、野菜・果実や加工食品部門において、輸出に取り組み海外市場に参入する農家や企業が大幅に増加した。また、3つの貿易交渉での関税と非関税障壁による貿易、国内生産および農業の参入への影響は、さまざまに異なることを明らかにした。
(論文:Nobuhiro Hosoe and Yuko Akune, “Can the Japanese agri-food producers survive under freer trade? A general equilibrium analysis with farm heterogeneity and product differentiation”Japan & The World Economy, Volume 55, 101028, https://doi.org/10.1016/j.japwor.2020.101028.)
なお、本研究で農林水産物の製品差別化を加味して貿易政策の効果を分析ができたのは、差別化の程度とそれらを生産する農家の異質性を表すパラメータを調査票情報を利用して得られたためである。これらのパラメータについては、次のディスカッションペーパーとして公表し、現在国際学術雑誌に投稿中である。
(掲載雑誌:Akune, Yuko and Nobuhiro Hosoe (2019) "Microdata Analysis of Japanese Farmers' Productivity: Estimating Farm Heterogeneity and Elasticity of Substitution among Varieties," GRIPS Discussion Paper 19-24.
http://doi.org/10.24545/00001714.)

研究のうち「動学的応用一般均衡モデルを用いた高温耐性品種米普及による地域経済への評価分析」については、補助事業期間の再延長により令和3年度末まで研究を継続する。また、それに伴い、調査票情報については改めて利用申出を行うこととする。
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 (調査名)農業経営統計調査(営農類型別経営統計)
(年次)平成16 年~平成27 年
(地域)全国
(統計的研究に利用した調査票情報)
確定営農類型別区分、前年調査客体番号、農業粗収益、農業経営費、農業及び農業生産関連事業労働時間、土地面積、財産と増減形態
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 各調査項目から作成した実質付加価値額、労働投入時間、実質資本ストックを用いて、生産関数を推定し、推定値から算出された全要素生産性(TFP)を用いて、応用一般均衡分析に必要なTFP 分布の形状パラメータ(パレートのk)とバラエティ間の代替の弾力性を得た。なお、生産関数の推定では、内生性を考慮するOlley and Pakes (OP)法、Levinsohn and Petrin (LP)法、OP-ACF 法、LPACF法の4 つの手法を用いた。
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 Japan & The World Economy
https://doi.org/10.1016/j.japwor.2020.101028
2020-09-01