管理番号:20020020210002
府省:総務省
提供状況
2021-11-26 | 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 |
金 希相 |
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調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 |
東京大学大学院 人文社会系研究科 大学院生(博士課程) |
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提供した調査票情報に係る統計調査の名称 |
国勢調査 |
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調査票情報の利用目的 | 一般財団法人住総研の2021年度研究助成事業による補助を受けて実施する「持家取得からみる日本在住外国人の居住格差」において、社会的統合の観点から、外国籍住民の持家取得を規定する要因を明らかにし、国籍グループ間の格差をどの程度説明するのかを検討する。 | |
備考 |
統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等
調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 |
金 希相 |
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提供した調査票情報に係る統計調査の名称 |
国勢調査 |
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 | 持家取得からみる日本在住外国人の居住格差 |
提出された統計若しくは統計的研究の成果又はその概要 |
提供を受けた調査票情報を用いて、以下の分析を行った。 【分析1】 持家率、個人属性、社会経済的地位、居住地の分布が国籍別にどのように異なるかを確認する。 【分析2】 持家取得を説明する個人レベルの要因に着目して、職業的地位や最終学歴、婚姻状態、年齢、子どもの有無などを説明変数とするロジスティック回帰分析を行う。 【分析3】 日本国籍者と外国籍者の持家率の格差が生じる理由を明らかにするために要因分解(fairlie decomposition)を行う。 【分析4】 分析2の個人レベル要因に加え、外国籍人口比率、人口規模、人口密度、課税対象所得、地域の持家率などの地域レベルの要因を説明変数とするとするマルチレベル・ロジスティック回帰分析を行う。 その結果、以下のことが明らかとなった。 第一に、持家率は韓国・朝鮮籍人口が48.69%と最も高く、それに次いで中国籍(32.95%)、アメリカ籍(30.49%)、フィリピン籍(30.45%)、ブラジル籍(14.19%)の順に高い。しかし、全体として外国籍者の持家率は日本国籍の人(59.64%)より低いことが示された。また、外国籍住民は出身国別に社会経済的地位や人口構成が異なるのみならず、居住する地域の特性にも違いがみられることが明らかになった。 第二に、日本におけるエスニック集団は受け入れ文脈の違いにより、人口構成や学歴分布、労働市場における地位などに相違がみられるにもかかわらず、概してライフコースの進展や社会経済的地位の向上に伴って持家を取得する傾向があることが明らかになった。 第三に、すべての外国籍グループにおいて、滞在期間(5年前の居住地、居住期間)が格差の拡大に最も大きく寄与していることが示された。社会経済的地位(学歴、職業的地位)は、アメリカ籍を除いて、持家率の差のうち、5%から12%程度を説明する。一方、家族要因(世帯内就業者数、家族類型、子どもの有無)と居住地域は多くの外国籍グループの持家率に有利に働いていることが明らかにされた。 第四に、持家取得に対するエスニック・コミュニティ(同国籍人口比率)の効果は長い歴史的背景を有する韓国・朝鮮籍においてのみ有意な効果を持つことが確認された。 |
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 | (調査名) 国勢調査 (年次) 平成17年~27年 (地域) 全国 (統計的研究に利用した調査票情報) - |
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 | クロス集計、ロジスティック回帰分析、Fairlie要因分解、マルチレベル・ロジスティック回帰分析 |
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 |
『住総研研究論文集・実践研究報告集』49号, pp.85-96 掲載年月日:令和5年3月 http://www.jusoken.or.jp/pdf_paper/2022/2110-0.pdf |