管理番号:20020020220001

府省:総務省

提供状況

2022-05-10 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 廣瀬 雅代
岡 檀
田村 菜穂美
小林 弦矢
川久保 友超
調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 九州大学マス・フォア・インダストリ研究所 助教
統計数理研究所医療健康データ科学研究センター 特任准教授
北海道大学環境健康科学研究教育センター 特任助教
明治大学商学部 准教授
千葉大学大学院社会科学研究院 准教授
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 社会生活基本調査
就業構造基本調査
住宅・土地統計調査
調査票情報の利用目的  日本経済研究センター研究奨励金における研究「貧困対策・格差是正に向けた実態把握資料のための貧困地図作成」の一環として、コロナ禍前の我が国における小領域レベルの貧困状況を視覚的に把握する信頼性の高い資料作成への試みとその結果から示唆される社会医学的知見に関する研究を行うため。
備考

統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等

調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 廣瀬 雅代
岡 檀
田村 菜穂美
小林 弦矢
川久保 友超
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 社会生活基本調査
就業構造基本調査
住宅・土地統計調査
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 エリアレベルモデルに基づく都道府県別貧困率の推定とマッピング
提出された統計若しくは統計的研究の成果又はその概要 提供を受けた調査票情報を用いて、以下の分析を行った。これらは、本研究は2019年度日本経済研究センター研究奨励金, 科研費助成を受けたものである。

【分析1】
EBPMを意識した, 細かな区分ごとの貧困実態を把握するための信用性の高いエビデンス資料として貧困率と貧困地図を作製した。本研究では、平成29年度就業構造基本調査を利用し、単身世帯に焦点を絞り「都道府県×性別×年齢階級」と「県内経済圏×性別」に対する小区分別の貧困率の推定値を導出した。さらに、従来法(直接推定法)とエリアレベルモデルに基づく統計手法によって推定を試みた。その結果、以下の成果を得た。

小区分別・推定手法別の貧困地図、推定に関するグラフまで作製し、視覚的な比較を可能にした。特にサンプルサイズが小さい地域において、いくつかの仮定が満たされる際のエリアレベルモデルに基づく貧困地図の有用性の示唆が見られた。しかし、上記の結果には、いくつかの仮定が満たされる状況下での有用性であり、様々な面からの妥当性を含めて検討を続けていく必要がある。今後は、いくつかの学会・研究会・論文で公表していく予定である。

【分析2】
住宅・土地統計調査の調査表情報を用いて,モデルベースの手法により市区町村別の所得分布を推定した。住宅・土地統計調査の調査票では,グループデータの形式で世帯所得が収集されており(調査票において世帯所得を10階級のどこに属すかで尋ねている形式),そのような形式のデータに対する分析手法を開発した。具体的には,実数としての世帯所得を潜在変数とし,その潜在変数を目的変数とした線形混合モデルを仮定した。また,乗率を考慮に入れた重み付き対数尤度を考えることで,調査におけるバイアスを補正した推定値を導出する手法を開発した。
 本研究グループはこれまでに,住宅・土地統計調査の公表データ(市区町村ごとに度数分布のかたちで公表された所得データ)をもとにした,市区町村別所得分布の推定手法を開発してきた。今後は,これまでの研究結果と,今回のオンサイト利用で解析を行った調査票情報にもとづいた分析結果との比較を行い,開発した分析手法の妥当性を検証していき,論文化を目指す。
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 (調査名) 社会生活基本調査
(年次)  平成28年
(地域)  全国
(統計的研究に利用した調査票情報) -

(調査名) 就業構造基本調査
(年次)  平成29年
(地域)  全国
(統計的研究に利用した調査票情報) -

(調査名) 住宅・土地統計調査
(年次)  平成30年
(地域)  全国
(統計的研究に利用した調査票情報) -
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 1.
各層(地域、性別、年齢層など)における集計用乗率を用いた貧困割合、各地域(都道府県、経済圏)のサンプルサイズ、集計用乗率を考慮に入れた分散と標準偏差の推定値、持ち込みデータも利用した。

2.
グループデータの形式で収集された世帯所得の個票データに対して,線形混合モデルを適用し,各市区町村の所得分布を推定した。
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 2023年度統計関連学会連合大会予稿集
2023-09-05

成果等

エリアレベルモデルに基づく都道府県別貧困率の推定とマッピング 公表資料.pdf(1.2 MB)