管理番号:20045020210001

府省:厚生労働省

提供状況

2021-10-22 調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 阿部 幸喜
調査票情報の提供を受けた者(個人に限る。)の職業、所属その他の当該者に関する事項 千葉大学医学部附属病院次世代医療構想センター 特任講師
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 人口動態調査
調査票情報の利用目的 人口動態調査の死亡票のミクロデータを利用して、高齢者骨折例について、原死因の傷病名と外因の関係から、骨粗鬆症に因る脆弱性骨折が潜在した確率を推計し、実臨床と比較検討します。死亡診断書(死亡調査票)の精緻な記載の重要性を啓発することを目的とします。
備考

統計若しくは統計的研究の成果又はその概要等

調査票情報の提供を受けた者の氏名又は名称 阿部 幸喜
提供した調査票情報に係る統計調査の名称 人口動態調査
統計又は統計的研究の成果等のタイトル等 Deaths caused by osteoporotic fractures in Japan: An epidemiological study
提出された統計若しくは統計的研究の成果又はその概要 提供を受けた調査票情報を用いて、以下の分析を行った。

【分析1】
大腿骨近位部および椎体骨折による死亡例の中で、平地での転倒によるもの(軽微な外力による骨折=脆弱性骨折=骨粗鬆症の診断基準に合致する)をクロス集計した。

その結果以下のことが明らかになった。
平地での転倒で生じた大腿骨近位部および椎体骨折が死因となった例はそれぞれ2737 例、939 例、合計3676 例であった。このうち、80 歳以上のものはそれぞれ、2563 例、874 例、合計3437 例(=高齢者の骨粗鬆症骨折と推察される例)であった。

【分析2】
大腿骨近位部および椎体骨折による死亡例の中で、交通外傷によるものをクロス集計した。

その結果以下のことが明らかになった。
交通外傷に起因するものは、頸椎骨折では41 例(18.6%)を占めたが、他部位の骨折では10 例以下であり非常にまれであった。大腿骨近位部および椎体骨折による死亡例は、高エネルギー外傷によるものが少ない可能性示唆された。

分析1,2の結果より、大腿骨近位部および椎体骨折による死亡例は、軽微な外力によって生じたものが大部分を占めていることが推察され、もともと骨粗鬆症による死亡と登録されている190 例に、今回算出された3437 例を加えると3627 例であり、骨粗鬆症を原死因とする死亡数は公表値190 の約19 倍程度であることが推計された。
上記統計の作成又は統計的研究を行うに当たって利用した調査票情報に係る統計調査の名称、年次、当該調査票情報の地域の範囲その他の当該調査票情報を特定するために必要な事項 (調査名) 人口動態調査
(年次)  平成28年、29年、30年
(地域)  全国
(統計的研究に利用した調査票情報) -
上記統計の作成の方法又は統計的研究の方法を確認するために特に必要と認める事項 単純にクロス集計を行ったもの
学術雑誌等の名称及び掲載年月日 Journal of Orthopaedic Science
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0949265823002853
2023-11-18

成果等

成果のタイトルは上記のとおり 研究論文.pdf(363.5 KB)